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解題 ・凡例 | 序 |
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未来記
原文 |
訓読文 |
現代語訳
興禪護國論卷上
令法久住門第一
鎭護國家門第二
世人決疑門第三
古徳誠證門第四
宗派血脈門第五
典據增信門第六
大綱勸參門第七
建立支目門第八
大國說話門第九
迴向發願門第十
第一令法久住門者。六波羅蜜經云。佛言。爲令法久住說毘尼藏文 大論云。佛弟子有七衆。一比丘。二比丘尼。三學戒尼。四沙彌。五沙彌尼。六優婆塞。七優婆夷。前五是出家。後二是居家文 此七衆淸淨。則佛法久住。因玆禪宗禪苑淸規云。蓋以嚴淨毘尼。方能弘範三界。然則參禪問道。戒律爲先。旣非離過防非。何以成佛作祖。是故如四分律。四波羅夷。十三僧伽婆尸沙。二不定法。三十尼薩耆。九十波逸提。四波羅提提舍尼。一百衆學。七滅諍法。梵網經三聚淨戒。十重四十八輕戒。讀誦通利。善知持犯開遮。但依金口聖言。莫擅隨於庸輩文 大經云。此經若滅佛法則滅説末世律儀也 僧祇律云。佛言。諸佛不結戒。其正法不久住文 佛藏經云。佛言。舍利弗。是人捨於無上法寶。墮在邪見。是沙門栴陀羅。舍利弗。我淸淨法。以是因緣漸漸滅盡。我久在生死受諸苦所成菩提法。是諸惡人爾時毀壞。如是之人。我則不聽受一飮水文 梵網菩薩戒經云。犯正戒者。不得受一切檀越供養。亦不得國王地上行。不得飮國王水。五千大鬼神常遮其前。鬼云大賊。若入房舍城邑宅中。鬼掃其脚跡。乃至犯戒之人畜生無異文 仁王般若經云。大王。法末世時有諸比丘四部弟子。國王大臣。多作非法之行。横與佛法衆僧。作大非法。作諸罪過。非法非律。繫縛比丘如獄囚法。當爾之時法滅不久文 大般若經云。舍利子。我𣵀槃後。後時後分後五百歲。甚深般若相應經典。於東北方大爲佛事。何以故。一切如來共所尊重。共所護念。令於彼方經久不滅文 此者明依扶律禪法令法久住義矣。大法炬陀羅尼經云。護法者。所謂法欲滅時。菩薩於中方便護持。令法久住。以此因緣復得頂相文 仍立令法久住門也
興禅護国論巻上
令法久住門第一
鎮護国家門第二
世人決疑門第三
古徳誠證門第四
宗派血脈門第五
典拠増信門第六
大綱勤参門第七
建立支目門第八
大国説話門第九
廻向発願門第十
第一令法久住門とは、六波羅蜜経1に云く、「仏言く、令法久住の爲に毘尼蔵2を説く」と。
大論3に云く、「佛弟子に七衆有り。一に比丘、二に比丘尼、三に学戒尼、四に沙彌、五に沙彌尼、六に優婆塞、七に優婆夷なり。前の五は是れ出家、後の二は是れ居家なり」と。此の七衆清浄なれば、則ち佛法久住す4。
茲に因て禅宗禅苑清規5に云く、「蓋し毘尼を厳浄するを以て、方に能く三界に弘範たり。然れば則ち参禅問道は、戒律を先とす。既に過を離れ非を防ぐに非ずんば、何を以てか成佛作祖せん。是の故に四分律の四波羅夷・十三僧伽婆尸沙・二不定法・三十尼薩耆・九十波逸提・四波羅提提舍尼・一百衆学・七滅諍法6、梵網経の三聚淨戒・十重四十八軽戒7の如きを、読誦し通利して、善く持犯開遮8を知れ。但だ金口の聖言9に依て、擅に庸輩に隨ふこと莫れ」と。
大経10に云く、「此の経若し滅せば佛法則ち滅せん末世の律儀を説けばなり」と。
僧祇律11に云く、「佛言く、諸佛、戒を結せずんば、其の正法は久住せず」と。
佛蔵経12に云く、「佛言く、舍利弗、是の人、無上の法宝を捨て、邪見に墮在す。是れ沙門の栴陀羅13なり。舍利弗、我が清浄法は、是の因縁を以て漸漸に滅盡せん。我れ久しく生死に在て、諸苦を受け、所成の菩提法、是の諸悪人、爾の時毀壊す。是の如くの人、我れ則ち一飮の水を受ることを聴す」と。
梵網菩薩戒経14に云く、「正戒を犯する者、一切の檀越の供養を受ることを得ず。亦た国王の地上を行くことを得ず。国王の水を飲むことを得ず。五千の大鬼神、常に其の前を遮て、鬼、大賊と云ん。若し房舍・城邑・宅中に入らば、鬼、其の脚跡を掃ん。乃至犯戒の人は畜生に異ること無し」と。
仁王般若経15に云く、「大王、法末の世の時、諸比丘・四部の弟子有て、国王大臣、多く非法の行を作し、横に佛・法・衆僧に大非法を作し、諸の罪過を作す。非法非律にして、比丘を繋縛すること獄囚の法の如し。當に爾の時、法久しからざるべし」と。
大般若経16に云く、「舍利子、我が涅槃の後、後時後分の後五百歳に、甚深般若相應の経典、東北方に於て大に佛事を爲さん。何を以ての故に。一切如来、共に尊重したまふ所、共に護念したまふ所なればなり。彼方に於て久しきを経て滅せざらしめん」と。此は扶律の禅法に依て、法をして久住せしむるの義を明す。
大法炬陀羅尼経17に云く、「護法とは、所謂法の滅せんと欲する時、菩薩、中に於て方便護持して、法をして久住せしむ。此の因縁を以て復た頂相を得る」と。仍て令法久住門を立つ。
興禅護国論巻上
令法久住門第一
鎮護国家門第二
世人決疑門第三
古徳誠證門第四
宗派血脈門第五
典拠増信門第六
大綱勤参門第七
建立支目門第八
大国説話門第九
廻向発願門第十
第一令法久住門 (第一章 仏教をして世に久しく留まらせるために)
『六波羅蜜経』に云く、「仏言く、令法久住のために律蔵を説く」と。
『大智度論』に云く、「仏弟子には七衆がある。一に比丘、二に比丘尼、三に学戒尼、四に沙弥、五に沙弥尼、六に優婆塞、七に優婆夷である。前の五は出家者、後の二は在家者である」と。この七衆が(それぞれの分際に応じた戒あるいは律に従って)清浄であれば、仏法は久住するのである。
このようなことから禅宗の『禅苑清規』に云く、「まさしく(僧侶が)律を厳しく持つことによってこそ、世界に広くその範として(仏法を)示すことが出来るであろう。そのようなことから、参禅問道は戒律を先とするのである。まず過失ある行いを離れ、非法なる言動・思考を防がないことには、一体どのようにして成仏作祖できるというのか。この故に、『四分律』の四波羅夷・十三僧伽婆尸沙・二不定法・三十尼薩耆・九十波逸提・四波羅提提舍尼・一百衆学・七滅諍法、そして『梵網経』の三聚淨戒・十重四十八軽戒などを読誦し、その意味内容に通暁して、よく持犯開遮を知らなければならない。ただ金口の聖言に拠って頼りとこそすれ、自分勝手に平凡な輩(の言動)に従ってはならない」と。
『大般涅槃経』に云く、「この経がもし滅んで伝わらなくなったならば、佛法は滅んでしまうであろう『大般涅槃経』が末世においての律儀を説いているからである」と。
『摩訶僧祇律』に云く、「仏陀言く、「諸々の仏陀が戒を制定されなければ、その正法は久住することはない」と。
『仏蔵経』に云く、「仏陀言く、舍利弗、是の人、無上の法宝を捨て、邪見に墮在す。是れ沙門の栴陀羅なり。舍利弗、我が清浄法は、是の因縁を以て漸漸に滅盡せん。我れ久しく生死に在て、諸苦を受け、所成の菩提法、是の諸悪人、爾の時毀壊す。是の如くの人、我れ則ち一飮の水を受ることを聴す」と。
『梵網菩薩戒経』〈『梵網経』盧舍那佛説菩薩心地戒品第十〉に云く、「正戒を犯す者は、いかなる檀越〈dānapatiの音写語。施主の意〉からでも、その供養を受けることは出来ない。また国王の領地を行くことも出来ない。国王の領内の水を飲むことも出来ない。五千の大鬼神がつねにその破戒者の行く手を遮り、その鬼〈餓鬼・死者〉から「大賊!」と罵られるであろう。もし房舍・城邑・宅中に入ったならば、鬼らは、その破戒者の足跡を掃き消すであろう。要約すれば、戒を犯す者は畜生に異ることがない」と。
『仁王般若経』に云く、「大王よ、法末の世においては、諸々の比丘など四部の弟子に対して国王や大臣が多く非法の行いなし、ほしいまま仏・法・僧(の三宝)に大なる非法を行って、様々な罪過をなすであろう。非法・非律に比丘を逮捕・拘束することは、まるで監獄の囚人に対するようとなろう。まさにそのような時代こそ、仏法は近く滅するであろう」と。
『大般若経』に云く、「舍利子よ、私が涅槃して後、後時後分の五百年後には、甚深なる般若相応の経典が、東北方において大いに仏事をなすであろう。その故は何であるかといえば、(般若相応の経典は)すべての如来が共に尊重され、共に護念されるものであるから。(東北方の)彼方において、(仏法は)長く伝わり行われて滅ぶことはないであろう」と。此は扶律の禅法に依て、法をして久住せしむるの義を明す。
『大法炬陀羅尼経』に云く、「護法とは、いわゆる仏法が滅びようとする時、菩薩はその次代において様々な方法によって護持し、仏法を久しく留めさせることである。この因縁によって、(菩薩は三十二相好のうちの)頂相〈肉髻〉を得るのである」と。仍て令法久住門を立つ。
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